上流解析に利用できる情報

パスウェイやネットワークに含まれる情報のうち、上流解析に利用できる情報は、下記の4つに分類されます。それぞれの情報は、由来となるデータと、制御関係の方向、構成する要素(遺伝子なのかタンパクなのか)という点で、性質や入手方法が異なります。また、情報の入手しやすさも違います。これらの情報を含むパスウェイまたはネットワークを利用することで、上流解析の情報の制約をクリアできます。

  1. タンパク間相互作用(PPI)
  2. 遺伝子発現制御
  3. 共発現
  4. 文献情報

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BioGRID

特定のタンパク(または遺伝子)を研究対象としているとき、「そのタンパクに結合すると言われているタンパク」を知りたくなることがあると思います。そのときに便利な “BioGRID” というデータベースがあります。

BioGRID は、interaction (相互作用)のデータベースです。論文の情報からキュレーションされた相互作用が登録されています。おもに protein-protein interaction のデータ(physical interaction) ですが、遺伝子発現のデータ (genetic interaction) も含まれています。

キーワードや遺伝子名を入力して、検索ができます。

BioGRID
BioGRID のホーム画面。検索ができます。

“SUBMIT GENE SEARCH” をクリックすると、検索結果が表示されます。下部に、目的のタンパクと相互作用すると報告のあるタンパクの一覧が表示されます。各タンパクの右側に表示された数字が、報告された論文の件数です。信頼度の目安になります。 details をクリックするとさらに詳細が表示されます。

Interaction Summary
検索結果の例。

なお、BioGRID のデータは、商用、学術用ともに無償で利用できます。

Reference: Stark C, Breitkreutz BJ, Reguly T, Boucher L, Breitkreutz A, Tyers M. Biogrid: A General Repository for Interaction Datasets. Nucleic Acids Res. Jan1; 34:D535-9.