log fold-change (=logFC or log ratio) の算出方法の確認

log fold-change (= logFC or log ratio) の算出方法の確認です。logFC の算出方法として、正しいのは、次のうちどれでしょうか?正解は2つあります。

wild type (WT) と knock out (KO) の2サンプルのシグナル値を比較するものとします。なお、通常の fold-change (ratio) は、以前に紹介したように割り算ですので、KO を WT で割れば(KO/WT)、WTに比べて、何倍になっているか計算できます。

  1. WT と KO の値をlog2変換して、KO を WT で割る
  2. KO を WT で割ってから、算出された値をlog2変換する。
  3. WT と KO の値をlog2変換して、KO から WT を引く
  4. KO から WT を引いてから、算出された値をlog2変換する。
  5. KO を WT で割る。このとき、ratio > 1 なら、そのまま。ratio < 1 なら、逆に WT を KO で割り、ー(マイナス)の符号を付ける。
 

GeneMANIA: 機能の一覧の保存

遺伝子名の一覧に続き、機能の一覧を表示し、保存する方法を紹介します。

機能の一覧の表示

上部の “Functions” タブをクリックして、表示されているネットワークに含まれる遺伝子の持つ機能の一覧を表示できます。GeneMANIAの検索結果で表示されているネットワークが、生物学的にどのような機能を持っているのか(アノテーションを多く含んでいるか)確認できます。遺伝子名の一覧と同様に、各機能にマウスカーソルを合わせると、ネットワーク上のその機能を持つ遺伝子のみがハイライトされます。

Functions タブをクリック
Functions タブをクリック
機能の一覧。マウスカーソルを合わせてハイライト。
機能の一覧。マウスカーソルを合わせてハイライト。

機能の一覧の保存

遺伝子の一覧と同様に、メニューの「File」から「Save functions」を選択して、機能の一覧を保存できます。ダウンロードフォルダに、 “functions_list.txt” というファイルで保存されます。

 

File から Save functions を選択。
File から Save functions を選択。
 

GeneMANIA の結果から、遺伝子の一覧を取得

GeneMANIA の表示された結果から、ネットワークに含まれる遺伝子の一覧を見る方法の紹介です。

遺伝子の一覧の表示

右側の “Genes” タブをクリックすると、ネットワークに含まれる遺伝子の一覧が表示されます。また、表示された一覧の遺伝子名にマウスカーソルを合わせると、その遺伝子からつながっている部分だけがハイライトされます。(新機能のようです。)

Genes タブをクリック。
Genes タブをクリック。
マウスカーソルを合わせた遺伝子をハイライト。
マウスカーソルを合わせた遺伝子をハイライト。

 

遺伝子の一覧の保存

ネットワークに含まれている遺伝子の一覧をファイルとして保存できます。「File」メニューから、「Save genes」を選びます。ダウンロードフォルダに、”genes_list.txt” という名前のファイルで保存されます。

File --> Save genes を選択。
File –> Save genes を選択。
 

BLAT を利用したプローブ配列の位置の検索

マイクロアレイ解析において、発現変動遺伝子を確認した後、「発現変動していた遺伝子に対するプローブの配列が、ゲノム上のどこに該当するか」を確認したいことがあると思います。これは、 USCS の BLAT で検索することができます。

1. プローブ配列の取得

まず、対象となるプローブの配列情報を入手する必要があります。これは各メーカーによって公開されています。Affymetrix 社であれば、NetAffx から、Agilent 社であれば、 eArray より取得できます。

例えば、Agilent 社のプローブ A_68_P22294038 の配列は、 “ATTCCATTACCATGCAGAACTACTAAAATATATTGTTCAAATAGTAGGAATCTATTTTCT” という60文字です。

2. BLAT

UCSC の BLAT にアクセスします。

http://genome.ucsc.edu/cgi-bin/hgBlat?command=start

  • (1) 生物種を選択します。
  • (2) プローブ配列を入力(ペースト)します。
  • (3) Submit をクリックします。
BLAT による検索。
BLAT による検索。

3. 結果の表示

検索結果が表示されます。複数ヒットすることもありますが、Score とマッチ率を参考に正しいものを選びます。ここでは、1件目と3件目が100%マッチですが、3件目はプローブの60文字中、20文字が一致しただけです。左端の “ACTIONS” から “browser” をクリックすると、位置の結果を表示できます。

結果の表示。
結果の表示。

4. 位置の確認

位置が表示されます。ボタンをクリックして、何度か Zoom out すると、プローブの対象となる遺伝子との位置関係を把握しやすくなります。ここでは、”Fbxw7″ が対象の遺伝子です。図中に “Your Sequence” とあるのが、1. で入力したプローブ配列です。1kbほど上流にあることが確認できます。

 

プローブ配列の位置の表示。
プローブ配列の位置の表示。

 

Zoom out して、対象となる遺伝子との位置関係を確認。
Zoom out して、対象となる遺伝子との位置関係を確認。
 

MeV の利用できるメモリを増やす方法

MeV を用いて、サイズの大きなヒートマップを作成した場合、結果の画像をファイルとして保存できないことがあります。

例えば、5000個の遺伝子でヒートマップを作成した場合、Set Element Size で指定する Element Width と Height を 40 x 20 くらいにしていると、この問題が発生します。

1つの対処方法としては、 Element Width と Height を 40 x 1 のようにして、縮小されたヒートマップにする方法があります。ただ、この場合、保存したヒートマップは小さすぎて、個々の遺伝子名は読めません。

数千遺伝子のヒートマップを、文字が読める大きさで画像ファイルに保存するには、MeV の利用できるメモリを増やすことで対応できるときがあります。ここでのメモリは、パソコンに搭載されたメモリのことではありません。初期状態で、パソコンに搭載されたメモリのうち、MeVの利用できるメモリは、1GB制限されています。この制限を変更する方法を示します。(Macの場合です。)

(1) 準備(テキストエディタ)

まず、テキストファイルを編集するためのソフト(テキストエディタ)を準備してください。 “Text Wrangler” がおすすめです。必要な場合は、App Store からダウンロードしてインストールします。

TextWrangler. App Store から入手可能。
TextWrangler: App Store から入手可能。

(2) 起動ファイル (tmev_mac.sh) の編集

次に MeV のフォルダを開きます。MeVをインストールした場所にあります。通常は、「アプリケーション」フォルダにあると思います。

MeV のフォルダ。
MeV のフォルダ。

そのフォルダに含まれる “tmev_mac.sh” というファイルを “TextWrangler” などのテキストエディタで編集します。 “tmev_mac.sh” をクリックして、右クリックもしくは、上部のメニューから、「このアプリケーションで開く」–> 「TextWrangler」を選択します。

メニューから、このアプリケーションで開く--> TextWranger を選択。
メニューから、このアプリケーションで開く–> TextWranger を選択。

最終行の “1024” を “4096” などの大きい数字に変更します。ここは、パソコンに実際に搭載されたメモリの大きさと相談してください。搭載されたメモリの半分ほどは、MeVに割り当てても問題ありません。(例:メモリを8GB搭載している場合は、4GB = “4096” を指定。もし、2GB割り当てるのなら “2048” などとします。)

最終行を編集。1024 を 4096 など。
最終行を編集。1024 を 4096 など。

編集後は、下記のようになります。ファイルを上書き保存してください。(この設定ファイルの編集は、インストールされたMeVへの影響はありませんので、この変更により、通常の MeV が起動できくなることはありません。)

編集後。
編集後。

(3) 編集したファイルから、MeVを起動

編集したファイルから、MeV を起動すると、メモリの制限を変更した状態で MeV を利用できます。TextWrangler のメニューの「#!」から、「Run in Terminal」を選択してください。

設定ファイルから MeV を起動。
設定ファイルから MeV を起動。

なお、tmev_mac.sh を上書き保存したとしても、変更したMeVを利用するには、毎回、このファイル経由で MeV を起動する必要があります。(MeV のアイコンをダブルクリックした場合は、標準状態の MeV が起動します。)