ヒートマップとクラスタリング図

これらの2つの用語は、同じような意味で使われます。しかし、厳密には少し違った意味を持っています。「ヒートマップ」のほうが、広い意味を持っていると言えます。「クラスタリング図」は、いわば、クラスタリング処理を施されたヒートマップです。よって、どちらか分からない場合は、ヒートマップと呼ぶほうが無難でしょう。

クラスタリング処理は、簡単にいうと、並べ替えです。ヒートマップ中の個々の遺伝子を、発現パターンの似ている順に並べる作業です。また、並べ方には、方向があります。サンプルを似ている順に並べるか、遺伝子を似ている順に並べるか、というものです。

例:3つのサンプルA, B, C があり、それぞれ、gene1, gene2, gene3 のシグナル値を測定したとします。

サンプルA サンプルB サンプルC
gene1 30 20 35
gene2 10 50 15
gene3 10 20 15

クラスタリング図(=クラスタリング処理したヒートマップ)

クラスタリング:サンプルを似ている順に並べ替え
クラスタリング:遺伝子を似ている順に並べ替え

両方向というパターンもあります。

クラスタリング:サンプルを似ている順に並べ替え+遺伝子を似ている順に並べ替え
 

投稿者:

Atsushi Doi

株式会社セルイノベーター、主任研究員。理学博士。山口大学大学院理工学研究科修了。東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの特任助手を経て、株式会社GNIに主任研究員として勤務。その後、株式会社セルイノベーターの立ち上げに参加し、現在に至る。専門は、バイオインフォマティクス、おもにシステムバイオロジー。

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