インプリンティング遺伝子 (imprinted genes) のデータベース

インプリンティングを受けることが知られている遺伝子 (imprinted genes) のデータベースがあります。その名の通り、 “geneimprint” です。

 

geneimprint: インプリンティング遺伝子のデータベース。
geneimprint: インプリンティング遺伝子のデータベース。

上部の “genes” をクリックすると、インプリンティングを受ける遺伝子のリストが確認できます。生物種ごとにまとめられています。

インプリンティングを受ける遺伝子の一覧。
インプリンティングを受ける遺伝子の一覧。

日本エピジェネティクス研究会のページにも、その他のデータベースへのリンク集があります。

 

* Dr. Randy L. Jirtle; http://randyjirtle.com

 

BioGPS – ある遺伝子がどの組織で発現しているか?

「特定の遺伝子が、どの組織で発現しているか?」を調べるには、 BioGPS を使います。遺伝子名またはタンパク名プローブID (Affymetrix) で検索すると、対象の遺伝子の複数の組織や細胞における発現レベルが棒グラフで表示されます。また、発現レベルを表示するだけでなく、他のデータベースや、siRNAなどの試薬へのリンクもあります(レイアウトと呼ばれています)。

遺伝子名を入力して検索。
遺伝子名を入力して検索。

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STRING

STRING は、タンパク質間相互作用 (Protein-Protein Interaction: PPI) のデータベースです。STRING GeneMANIA のようにネットワーク図を得ることができます。

使い方も同様です。(1) タンパク名を入力し、(2) 生物種を選択、 (3) GO ! をクリックするだけです。

STRING: タンパク質間相互作用のデータベース。
STRING: タンパク質間相互作用のデータベース。

ネットワーク図が表示されます。タンパク質をつなぐ線は、色によって、どの情報由来か示されています。例えば、黄緑色は、Textmining によって得られた関係を示します。

ANXA5 で検索した例。
ANXA5 で検索した例。

視覚的なネットワーク図を得られますが、GeneMANIAと比べると、ネットワークの情報量は少なめでしょうか。(+のアイコンをクリックして、拡張することもできます。)

ネットワーク図の例。
ネットワーク図の例。

* STRING v9.1: protein-protein interaction networks, with increased coverage and integration, Nucl. Acids Res. (1 January 2013) 41 (D1): D808-D815. doi: 10.1093/nar/gks1094

 

BLAT を利用したプローブ配列の位置の検索

マイクロアレイ解析において、発現変動遺伝子を確認した後、「発現変動していた遺伝子に対するプローブの配列が、ゲノム上のどこに該当するか」を確認したいことがあると思います。これは、 USCS の BLAT で検索することができます。

1. プローブ配列の取得

まず、対象となるプローブの配列情報を入手する必要があります。これは各メーカーによって公開されています。Affymetrix 社であれば、NetAffx から、Agilent 社であれば、 eArray より取得できます。

例えば、Agilent 社のプローブ A_68_P22294038 の配列は、 “ATTCCATTACCATGCAGAACTACTAAAATATATTGTTCAAATAGTAGGAATCTATTTTCT” という60文字です。

2. BLAT

UCSC の BLAT にアクセスします。

http://genome.ucsc.edu/cgi-bin/hgBlat?command=start

  • (1) 生物種を選択します。
  • (2) プローブ配列を入力(ペースト)します。
  • (3) Submit をクリックします。
BLAT による検索。
BLAT による検索。

3. 結果の表示

検索結果が表示されます。複数ヒットすることもありますが、Score とマッチ率を参考に正しいものを選びます。ここでは、1件目と3件目が100%マッチですが、3件目はプローブの60文字中、20文字が一致しただけです。左端の “ACTIONS” から “browser” をクリックすると、位置の結果を表示できます。

結果の表示。
結果の表示。

4. 位置の確認

位置が表示されます。ボタンをクリックして、何度か Zoom out すると、プローブの対象となる遺伝子との位置関係を把握しやすくなります。ここでは、”Fbxw7″ が対象の遺伝子です。図中に “Your Sequence” とあるのが、1. で入力したプローブ配列です。1kbほど上流にあることが確認できます。

 

プローブ配列の位置の表示。
プローブ配列の位置の表示。

 

Zoom out して、対象となる遺伝子との位置関係を確認。
Zoom out して、対象となる遺伝子との位置関係を確認。
 

MSigDB からの遺伝子セットの取得

MSigDB から遺伝子セットを検索して、取得する方法を紹介します。

(1) “Search” をクリックして、遺伝子セットの検索を行います。

遺伝子セットの検索。
遺伝子セットの検索。

(2) メールアドレスを登録(入力)して、ログインします。

メールアドレスを入力してログイン。
メールアドレスを入力してログイン。

(3) 検索画面が表示されるので、検索したいキーワードを入力し、Search ボタンをクリックします。右側の項目を選択することで、情報の種類や生物種でフィルターをかけることもできます。

遺伝子セットの検索画面。
遺伝子セットの検索画面。

(4) 検索結果に、見つかった遺伝子セットの一覧が表示されます。リンクをクリックすることで、詳細を表示します。#genes に表示されている数字は、遺伝子セットに含まれる遺伝子の個数を意味しています。

遺伝子セットの検索結果の一覧。
遺伝子セットの検索結果の一覧。

(5) 検索結果の詳細には、元になった論文の情報などが表示されます。なかほどの “Download gene set” の項目から、遺伝子セットをダウンロードできます。遺伝子セットは、複数のフォーマットで用意されています。”text”形式が最もシンプルです。この検索結果の詳細では、画面下の “Show members” の項目をクリックすることで、遺伝子セットを表示して確認することもできます。

遺伝子セットの検索結果の詳細。遺伝子セットをダウンロードできる。
遺伝子セットの検索結果の詳細。遺伝子セットをダウンロードできる。

追記

なぜか、トップ画面の “Search” から検索した結果と、同画面の “Browse” から検索した結果が異なるようです(2012年12月現在)。 例は、 “stemness” で検索した結果ですが、”Search” から検索した場合がたくさんヒットしました。しかし、 “Browse” から検索しないと表示されない遺伝子セットもありました。