増加を ratio > 1.5 で判定したとき、減少は ratio < ??

ratio (=fold-change) > “2” と増加を判定したときは、対応する減少の判定は ratio < “0.5” となるでしょう。では、 ratio > “1.5” と判定したときは、対応する減少の判定は、いくつになるでしょう?

値は 1.5/2 = 0.75 倍になっています。よって、0.5 x 0.75 = 0.375 ???

この話は、log2変換してから (logFC) のほうが分かりやすいかもしれません。「ratio > 2 または ratio < 0.5」 これを logFC にすると次のようになります。

「logFC > 1 または logFC < -1」(絶対値の記号"||"を使うと |logFC| > 1)

ここで “1” は log2(2) です。”-1″ は log2(0.5) ですが、マイナスlog2(2) とも書けます。つまり、log2(1.5) に対応するのは、マイナスlog2(1.5ということです。

logFC の値を ratio に変換 (unlog2) するには、「2のlogFC乗」を計算します。

> 2^1 # 2の1乗は2です。
> 2^(-1) # 2の-1乗は0.5です。

したがって、ratio < ?? に対応する値は、2のマイナスlog2(1.5)乗を計算します。

> 2^(-log2(1.5)) # 0.6666667

答えは ratio < 0.66 です。

 

ratio (fold-change) 1.5 は、 logFC でいくつ?

ratio (fold-change) が 2 のとき、 logFC は “1” です。では、ratio が 1.5 のとき、これは logFC でいうところのいくつなのでしょうか?

これは、ratio の2をlog2変換することで求めることができます。計算は下記のようになります。(統計処理ソフト “R” での計算方法です。)

> log2(2) # 結果は "1" になります。

よって、ratio 1.5 であれば、1.5をlog2変換します。

> log2(1.5) # 結果は "0.5849625" になります。

結果は、0.5849625 なので、logFC では 0.58 となります。(発現変動遺伝子を判定するときに用いるのであれば、少々甘く判定することが多いでしょう。)