マイクロアレイデータの解析例 2.3 (代謝系の遺伝子をクラスタリング)

ある機能を持った遺伝子だけを抽出してクラスタリングしてみるという手法は、いろいろな場面で使えます。

糖代謝の遺伝子のクラスタリング

アノテーションの情報をもとに、糖代謝 (Glucose metabolic process) の遺伝子を抽出し、クラスタリングしてみました。

糖代謝の遺伝子をクラスタリング。

Stem cell 関連遺伝子のクラスタリング結果と同様に、がん細胞とiPS細胞のクラスターは分かれる傾向にあるようです。(hiPS2102EP4D3 hEC2102EP4D3の表記を間違えていたため後日修正しました。)

脂質代謝遺伝子のクラスタリング

同様にアノテーションに脂質代謝 (lipid metabolic process) を持つ遺伝子を抽出してクラスタリングしてみました。

脂質代謝遺伝子をクラスタリング。縮小図。

やはり、おおよその傾向は同じなのですが、HepG2だけが、がん細胞のクラスターから外れた結果となりました。この脂質代謝は、肝細胞で盛んな機能であることを考えると面白い結果ではないでしょうか。(HepG2は肝癌由来の細胞株です。)

HepG2を含むクラスター。

肝細胞に分化させたいのであれば、HepG2と同じクラスターに入った iPS 細胞の株を使うのが効率的かもしれません。

いずれも、マイクロアレイデータだけからは、断言できる結果ではありませんが、「これらのデータは公開されている」という点は注目すべきではないでしょうか。

 

投稿者:

Atsushi Doi

株式会社セルイノベーター 取締役、研究開発部部長。理学博士。山口大学大学院理工学研究科修了。東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの特任助手を経て、株式会社GNIに主任研究員として勤務。その後、株式会社セルイノベーターの立ち上げに参加し、現在に至る。専門は、バイオインフォマティクス、おもにシステムバイオロジー。

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