近年の使用されている主なマイクロアレイ製品のメーカーとして、 Affymetrix, Agilent の2社があります。それぞれのメーカーの製品の主な特徴をあげます。
Affymetrix
Affymetrix社のマイクロアレイは、 GeneChip として有名です。一般的に「チップ」と言われれば、これを意味します。海外では圧倒的なシェアがあり、GEOに登録されているデータの大部分が、この Affymetrix のマイクロアレイを使用して取得されたものです。
遺伝子発現向けとしては、おもに、通常の 3′ Expression のアレイと、Exon をターゲットとしたプローブを搭載した Whole Transcript 向けのアレイがあります。
製品がアップデートされていなかった期間が長いことと、ユーザーが多いこともあり、現在までに多くのデータが蓄積されています。これらの過去のデータと比較できるメリットがあります。
Agilent Technologies
インクジェットの技術を利用して、マイクロアレイを製造しているため、プローブのデザインが容易です。そのため、比較的、製品のアップデートが早く、新しいゲノムのデータが反映されています。8x60K のシリーズは、lincRNA をターゲットとしたプローブも搭載されています。
また、eArray のサイトを通じて、カスタムアレイの設計が用意にできるのも特徴です。(カスタムでも通常のアレイでも同じ価格。)最近では、次世代シーケンサーで取得したゲノム情報をもとに、カスタムアレイを作成するという使い方もされています。
8x60K の製品は、1スライドで8サンプルの実験ができ、1サンプルあたりのコストが割安です。
また、最低限必要な RNA 量が少ない (300ng) という特徴もあります。
どれを使用したらよいか迷われている場合は、ご相談ください。