マイクロアレイデータの Gene Expression Omnibus (GEO) への登録

GEOへの登録

最近のジャーナルでは、マイクロアレイデータを用いた論文を投稿する際に、マイクロアレイデータの Gene Expression Omnibus (GEO) への登録を求められることが多いです。GEOは、これまでに多くのマイクロアレイデータが登録されており、自由に閲覧が可能なデータベースです。

GEO にマイクロアレイデータを登録すると、”GSExxxxx” という番号をもらうことができます。他の研究者は、この番号を指定することで、そのマイクロアレイデータを閲覧することが可能です。レビューワーから、このアクセッション番号や、IDという言い方で、求められることもあります。

登録する際に準備するもの

GEOにマイクロアレイデータを登録する際に必要なものは、下記の3点です。(ここでは、GEOarchive という形式の登録方法を紹介します。)

  1. NCBI のアカウント(ユーザー名とパスワード)
  2. メタデータ(論文の要旨や、サンプルの情報など。)
  3. マイクロアレイデータ(CELファイルなどのrawデータを含む。)

1. NCBI のアカウント

NCBIを利用するときのアカウントです。NCBIのサイトで無料で作成できます。左下の “Register for an NCBI account” から先へ進みます。(以前は、GEO専用のアカウントがありましたが、現在は、NCBIアカウントに統合されています。)

アカウント作成後、登録されたメールアドレスに、confirm 用のメールが届きます。そのメールに書かれたリンクをクリックすることで、確認されたことになり、アカウントが有効化されます。(迷惑メールと判断されることもあるようですので、ご注意ください。)

2. メタデータ

論文の要旨や、サンプルの情報を専用のエクセルのフォームに記入します。Affymetrix, Agilent, Illumina ごとに専用のフォームがあります。テンプレートのエクセルファイルをダウンロードして記入します。このテンプレートの3枚目以降のシートに記入例があります。各項目の意味はこちらをご覧ください。

3. マイクロアレイデータ

正規化済みのマイクロアレイデータと、これに加えて、rawデータ(AffymetrixであればCELファイル、AgilentであればFeatureExtractionから出力されるファイル)も必要です。ratioやアノテーションの情報は、必須ではありません。プローブIDと、シグナル値と(あれば)フラグの情報を登録します。

正規化に用いたすべてのサンプルの情報が必要です。「8サンプルで正規化を行って解析した後、論文に使用した4サンプルだけを登録」ということはできません。8サンプルで正規化した場合と、4サンプルで正規化した場合では、若干、シグナル値が変わるためです。上記のような場合は、4サンプルだけで再度、正規化から解析しなおして、登録する必要があります。

 

株式会社セルイノベーターでは、「マイクロアレイデータのGEOへの登録」も受託解析サービスの料金の中に含まれています。登録の際は、ご相談ください

 

投稿者:

Atsushi Doi

株式会社セルイノベーター、主任研究員。理学博士。山口大学大学院理工学研究科修了。東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの特任助手を経て、株式会社GNIに主任研究員として勤務。その後、株式会社セルイノベーターの立ち上げに参加し、現在に至る。専門は、バイオインフォマティクス、おもにシステムバイオロジー。

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